恋に目覚めたシンデレラ
疲れて帰って来ているんだし、そういう時ってご飯の用意とか私は色々とめんどくさくなったりする。
きっと晃さんも同じだと思う……。
部屋を出て階段を降りるとちょうど晃さんがバスルームの近くにいた。
「晃さん、おかえりなさい」
「葵さん」
「これから入浴ですか?」
「そうですが、葵さんはどうして?」
戻って来た返事は素っ気なくて。酷く疲れた様子だった。
「私は……小野寺さんが作ってくれたスープ美味しいですよ。滉さんが入浴している間に夕御飯のおかず温め直ししておきますね」
「その必要はないです」
「えっ……あっ、もしかして外で済ませて来たんですか?」
「そうではなくて、俺の事は気にせずに休んでください」
「晃さん……」
どうして……余計な事だったのかな……。
「あまり食欲がないんです。せっかく温めて貰っても食べるどうか分からないし葵さんの用意が無駄になってしまうかもしれない」