恋に目覚めたシンデレラ

「食欲ないんですか。大丈夫ですか？仕事も大事だけどあまり無理しないで下さいね」

「……今は無理をしてでもやらなければならないんです」


無理をしてでもって……。


「そんなに切羽詰まっているんですか？」


「仕事のことは葵さんが気にする必要は……今、言った事は聞かなかったことにしてください」


私は……晃さんの事を心配しちゃいけないのか……。


「そうだ忘れる所でしたメールの件ですが金曜日でしたね、泊まっても構いませんよ。ただ次の日にたしか飲み会があるんでしたよね？」


「飲み会……」


葵は土曜日に飲み会だって事をすっかり忘れてた。
幹事なのに忘れてしまうなんて……

「土曜日は俺は行けませんが三枝には送りを頼んであるので飲み会の前には帰ってきて下さい」


「分かりましたお昼までには戻ります」


「もう部屋に戻って休んで下さい」

滉さんはバスルームのなかに入ってしまった。


この間、私がいない生活なんて考えられないって言ってくれたのにさっきの滉さんはそっけなかった。
私のこと本当に必要としてくれているのか解らなくなる。
葵は不安になってしまった。