恋に目覚めたシンデレラ


「大変な事にはなってないみたいですね。矢嶋さんと西園寺さんに何があったんですか?」

「色々あってちょっと混乱してる。ごめん今はうまく説明できない」


「とりあえず、普通に話しているみたいだし大丈夫じゃないですか」


たしかに普通に話しているようにも見える。でもそこにバリケードがあるみたいで近付けない。
余計に不安になった。

滉が矢嶋に何を話しているのか内容まではよく聞こえない。
滉は声を抑えて話している。
葵は話しの内容が気になって仕方ない。


滉に声をかけようか話し終わるのを待つか迷っている間に滉は葵たちに気付いた。


「葵さん、ちょうど良かった。そろそろ帰りませんか?」


「でも幹事だから最後まで残るつもりなんです」


「あとは、彼がやってくれるようです。矢嶋さん?葵さんは帰っても構いませんね?」


「矢嶋くん良いの?」


「……あとはこっちでやっとく」


矢嶋は葵をチラッと見て直ぐに視線を外した。


「長谷川さんはどうしますか?帰るのなら家まで送ります」


沙織も一緒に帰ることになり置いてきた荷物をカラオケルームに取りにいきそのあと外に出た。

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