恋に目覚めたシンデレラ
スマホのアラームをセットしてベッドの中に入ると直ぐに眠くなり意識は遠退いていった……。
微かに耳に聞こえてきた音がアラームの音だと解ると手を伸ばしてタップをして停止させた。
いつものように顔を洗おうとバスルームに行こうとして違和感に気づき足を止める。
あれっ?
壁……
何かを忘れていることに思いあたりその何かを思い出そうとする。
暫く考えてようやく思い出せた。
ここは晃さんの家だ。
晃さんと鉢合わせしないと良いなと思いながら階段を下りてバスルームに向かう。
起き抜けの顔などあまり見られたもんじゃない。
この間はしっかりと顔を見られてしまったことを思い出す。
あれは不可抗力だしかたない。
さすがに何度も晃さんに寝起きの顔を見られるのは避けたい。
いつもは6時頃起きる所を今日は何かあるといけないと思い5時半にアラームをセットしておいて良かったかも。
階段を降り、晃さんと逢わずここまで来れたとホッとして中に入ろうとした、すると後ろから声をかけられ驚く。
「葵さん!早いですね」