恋に目覚めたシンデレラ
「倉橋、人に聞かれたくない話しならここでするなよ。長谷川も声のトーンが大きくてうるせぇ。
こっちは聞く気はなくても聞こえて来くだろう。
倉橋と豪邸ね。似合わねぇな……」
前回といい今回といい本当に失礼なやつ!
似合わない……そんなこと矢嶋くんに言われなくても解ってる。
「矢嶋くん、聞こえていたならしょうがないけど他の人には言わないでほしいの」
「ふーん、いいよ。……俺には関係ないしな。先に行くわ、じゃあな」
「沙織ちゃん……かなり態度怪しかったよね。あれじゃあ丸わかりだよ」
「すみません。つい興奮しちゃってはしゃぎすぎました」
沙織はやってしまったとばかりにペロッと舌をだし申し訳なさそうに謝った。
「もう、いいからあとで都合のいい日を教えてね。準備とかあるし早めに家政婦の小野寺さんにお願いしないとだから」
「解りました。予定を確認してみますね休みの方がいいですよね?」
「そうだね。その方が沙織ちゃんもゆっくり来れるよね。あっ、そろそろ戻った方がいいんじゃない?」
「そうですね。戻りましょう」
お昼休みもそろそろ終わると2人は戻って行った。