夢遊病
「…ごちそうさま。」
「はぁい、置いといて。」
「…いつも悪いわね。」
真澄には感謝している。
文句一つ言わず家事をしてくれ、私の苦労も理解してくれる。
「何言ってんのよ!
…あ、そうだ。今日はハンバーグで良い?」
「うん、楽しみにしてる。
じゃあいってきます。」
「いってらっしゃ〜い!」
真澄に見送られ、私は実家に向かった。
近付くにつれ、足取りが重くなる。
「ハァ…」
自然と溢れる溜め息を吐き出し、私は実家の門をくぐった。