藍色の瞳
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天瀬先生から電話が来た後眠ってしまった私
浅い眠りの中、見たのは“あの夢”だった
目覚めた時にはもう暗くなっていた外
夜になったからと言って柊雅さんが帰ってくるとは限らない
その時思い知らされた
生活する場所は与えられたけれど、やっぱり私は“独りぼっち”だってこと
そして、私の苦しみは夢だけで終わらなかった
「いや……
やっ……やだ……うそ」
眠りに落ちた時は明るかった為、当然部屋の電気なんてついていない
陽が落ちてしまった今、部屋の中を照らす光は淡い月明かりのみ
“真っ暗”同然
「やだぁ……やだ、いやっ」
温かいものが一気に溢れ出し、頬を濡らす
「誰か…誰かぁ……
うっ……~っ」
必死に電気を探すも暗闇に慣れていない目は何も映さない
「っ……ごめんなさ……
お願い……ここからっ出して…」
真っ暗闇の中、手探りで辺りの物を確かめる
そんな自分の仕草があの日の自分と重なって
「…ふっ……うぅ~っ」
うまく息ができない
恐怖で身体が思うように動かない
……ねぇ
いい子にしてるから
お願い
許して……
ガチャッ
「蜜さん?」
「っ!?」
玄関の入口の方向から聞こえた声に私は救われた気がした
その声は…いつもご飯を届けてくれる人のもの
「……助けてっ」
声が届いたか分からない
苦しくて掠れてたから
それでも私の精一杯の声を出した
「蜜さん!?」
声が届いたのだろうか?
それともこんな時間になってまで部屋が真っ暗だから慌てているのだろうか?
どっちでもいい……
“ここから出して…”