藍色の瞳





「失礼します」






そんな声と共にリビングの扉がゆっくりと、恐る恐る開かれる






「っ!?」






真っ暗な部屋にその人が唾を飲むのが分かった






「…っ…ぅう〜っ」






誰かが来てくれた






その安心感で、嗚咽が我慢出来なくなった






「蜜さん!!」






私の声だけでその場所を瞬時に判断し、駆けつけて来てくれたのはやっぱりご飯の人だった






「蜜さん!?どうしたんですか!?
大丈夫…ですか」






慌てふためいて声をかけたものの、私の尋常じゃない様子に言葉をつまらせている






……言わなきゃ






はやく……






「電気……ここから出して……真っ暗は嫌っ!!」






「……え」






あぁ…もう、自分が何を言ってるのか分からない…






「出して…」






「っ!」






振り絞るようにして出した声でその人には伝わった






さすが…柊雅さんの組の人…






訳の分からない言葉でも勘づいてくれた






「少し待っていてくださいね。」






「……ん」






慌てたような声が聞こえ、私から離れていく






また暗闇で1人になったことで不安が襲ってきたけれど






パチッ






そんな音とともにオレンジ色の光が部屋を包んだことで、一気に安心感が広がった






「………」






「大丈夫ですか!?」






そしてまた駆け寄ってきてくれる彼






お礼…言わなきゃ






「……あ……」






「…?」






「……あ…あ……〜〜ふっ」






「!!!?」






“ありがとう”

たったそれだけなのに、恐怖の中から救い出された安心感が大きすぎて






“り”をいう前にまたまた私の涙腺は崩壊してしまった








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