藍色の瞳






もう少し様子を見てやろうと思ったけれど…






「まぁ…な。

でもそろそろ切らないと怒られる。」






俺の方をちらっと見たあとそう切り出したアイツは






「生きてたら相手してやる」というような事を言った後、電話を切りやがった






交戦は終わったも同然なのに、なに試すような事言ってるんだろうね?






「……」






「……」






電話が切られたことで店内の音楽しか耳に入ってこなくなった






でも






「……んだよ」






無表情ではないだろう俺の顔

きっと右の口角は少しだけ上がっている






そんな表情で見つめられた新は結局自分から沈黙を破ってしまった






「…別に?」






「じゃあこっち見んなよ」






「それは無理かな」






「…うぜー」






うん。やっぱり我が弟はからかうと面白い






きっと気づいてないんだろうな






ほんのり顔が赤いことに






「あ、そうそう。明日は俺と柊雅で繁華街に聞き込みしに行くから。」






「ふーん。
…いいのか?」






「ん?」






「柊雅さんに聞きこみなんか行かせて。
俺達が行けばいい事だろ?」






あぁ、そういうこと…






確かに本来は柊雅が動くような事じゃないけど






「うん。柊雅が自分で行くっていったんだよ。
早く終わらせたいらしいからね。」






そう言って意味ありげに微笑むと、案の定






「なんで早く終わらせるんだよ」






と俺が待っていた質問をしてくる






「さぁ?
何でだろうね」






だから俺は曖昧に答えてコイツをからかう






“女のため”なんて言ったらコイツはどんな反応をするかな






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