藍色の瞳





天瀬先生から電話があった後、寝てしまった私






次に目覚めた時、何故か無意識に(学校、行かなきゃ…)と使命感が沸き起こり






ザァーーーーーー






少し冷たいシャワーを浴びて、制服っぽい服装に着替えていた






灰色のミニスカート

白の長袖シャツ

スカートには取り外し可能なサスペンダーをつける

靴下は白に赤と緑のラインが入った短めのもの

最後にパステルカラーのパーカーを着て






「…こんなもん…かな?」






…少しパーカーが大きすぎるような気もしなくはない






それでも自分の服装に満足した私は軽く髪を巻いた後、まだ1回もつけたことのなかったシンプルなネックレスをつけた






そして、これもまた外出禁止のお陰で未使用のままだった黒のリュックに






化粧品

筆箱

ルーズリーフ

携帯






だけを入れる






長い間学校に行ってなかった私は、その作業が“遠足の準備”みたいで楽しかった






……でも






全ての事を済ませ学校へ行こうとした時、“大きな問題”がある事に今更ながら気付いた






「……どうやってここから出よう」






私は外出禁止を言い渡されている…つまり監禁されている身






柊雅さんのような凄い人が外出禁止する=見張りがつく

と言うことで






「……っ!!」






そろ~っと玄関扉のドアスコープから外を見ると、数人の黒服さん達が綺麗な姿勢で動くことなく立っていた






……出ていけない…






こんな所に今の格好で出ていったら1秒もしない内に部屋の中へ押し戻されるに決まってる






どうしよう…






ここまで用意しておいて諦めることが出来なかった私は、無謀だと分かっていながらもベランダへ向かう






ここは50階






首を少しだけ出して下を覗いてみるも、高すぎてそれ以上は乗り出せなかった






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