藍色の瞳
「……別に」
…やっぱりな
答えを予想してた私はこれで会話が終わると少し安心する
でも、それだけで終わらしてはくれなかった
「…さっきのアレ…何?」
「…アレ?」
「嫌なことあったのかっつー質問」
…新って結構しつこい?
「……別に、何の意味もないから気にしなくていい」
素っ気なく返した私の瞼は閉じかけ
…誰かさんに起こされたせいでね
「…そー言われると気になるから。
一生悩むくらい」
「良かったじゃん」
「夜寝れねぇーくらい。
食事もまともに出来ないかもな」
「……」
「だから教えてくれるまで帰さねぇーよ?」
「……」
……コイツ……またキャラ変した?
「おーい?聞いてんのか?」
「ぶっ!」
「おいおい…汚ぇーな」
「あははははっ」
…あー、もう何かおかしーや
目の前の新の驚いた顔さえも面白く思えてくる
「もう一生その小さな悩みでいっぱいになっとけばいいのに!」
「……ひでぇーな」
っていうか、私自身も何でそんなこと聞いたのか分かんないのに
ただ…
「私の足は勝手にここへ来てたから。
だから新もそうなのかなー?って思っただけだよ。」
柊雅さんの家に帰るという選択肢がなかった私が来れる場所なんてここぐらいしか思いつかなかった
「…そろそろ帰って怒られようかな」
新の邪魔しちゃ悪いと思った私は鞄を肩にかけ、椅子から立つ
そしてお金をカウンターに置いた後
「やっぱりお前…」
「トウマさん、ありがとうございました。」
2度目の話の遮りを成功させ、足早にBARを出た