藍色の瞳
◆◆◆◆◆
「着きましたよ」
20分ぐらいして車はどこかに停車した
日頃睡眠をとりすぎてるせいか、後ろから覆い被さられているせいか結局私はずっと窓の外を眺めていた
多分後者の理由が強いと思うけど………
「………あの…」
「ああ、それじゃあ動けないね…」
私の視線の意味が分かったのか、困ったような声を出す助手席の人
「今後ろに行くから待ってて」
そう言うと素早く車から降り、後ろのドアを開けた
………わ…
乗り込んできた男の人の顔が横からの光によって照らされハッキリと見える
明るめの茶色の髪は、無造作にセットされ
髪と同じ色の瞳は綺麗な二重で
この人……
女装したらどんな女の子よりも可愛い気がする
そんな事を思っていると
「若、着きましたよ。
若が起きないと那夏さんが車から出られません。」
私を強く抱きしめながら寝ている人を揺すり始めた
っていうか、私のその名前知られてたんだ…
「……」
「若‼︎」
「………うるせぇ」
‼︎‼︎
なかなか起きないどころかさらに私に擦り寄ってくる始末
もう心臓が限界に近づいていた
「……那夏さん?少し失礼しますね。」
え?
綺麗な顔でにっこり笑みを浮かべたかと思うと…