藍色の瞳
柊雅さんがシャワーを浴びに行っている間、ソファーの上で縮こまっていた私はぐるりと部屋を見渡した
「何畳あるんだろう…」
今いるリビングは軽く30畳ぐらいありそうな広さなのに家具はあまり置いていない
玄関からこのリビングに繋がる長い廊下を引きずられている時にも、いくつか部屋があった。
一人暮らしっぽいけれど寂しくないのかな…
「…もう寝るか?」
「ひゃあっ‼︎」
色気のある声が聞こえたと思うと、視界に上半身裸の柊雅さんが入ってきた
細身なのにしっかりついた筋肉
濡れた黒髪から滴る水滴は、肩にかかったタオルに落ちる
さっきまでの少し着崩したスーツとは違って、下はスウェットというラフな格好
そんなギャップとだだ漏れのフェロモンに
「は…ハイ……」
完璧にやられてしまった
「何かあったら起こせ」
通されたのはこれまた広い寝室
中央にはキングサイズの黒いベッドがどーんと置かれている
「あの」
「……」
出ていこうとする柊雅さんは顔だけこちらに向ける
「柊雅さんはどこで…」
もしかして後からこの広いベッドに入ってくるのかもしれない
それならなるべく端っこの方で寝たほうがいいし
ベッドがこれしかないというならば、私がここで寝るわけにはいかない
「俺はソファーで充分だ」
「それはダメです」
「あ?」