藍色の瞳





バックミラー越しに後ろの席を見ると、暗くても分かるくらい顔を真っ赤にした遊び人“那夏”






そんな姿は純情な少女だと錯覚してしまうくらい






まあ若にあんなに密着されてたら無理もないか






目的地までまだ時間があったから、緊張を少しでも和らげてあげようと






「おやすみ」






そう言った






でも彼女は結局ずっと窓の外を眺めていて






その横顔からは悲しみが滲み出ていた






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