藍色の瞳
「ああ、今送ってきたところだよ」
『……ふーん』
スマホからはウンザリするほど聞いてきた生意気な声
「まさか若が女の子に触れる日が来るなんて思わなかったよ」
『理玖兄、今仕事中じゃねーだろ』
そう指摘されて初めて気がつく
仕事中の口調だったことに
「ごめんごめん。」
俺らは仕事以外の時、例え柊雅の前でも敬語は使わない
“若”とも呼ばない
それは柊雅が決めたことで、俺らはその言葉遣いにすることを“命令”された
『んで?なんでまた柊雅さんは女なんかに関わったんだよ』
「……さぁ?
ただの気まぐれかもね」
そう言いながら、気まぐれではない事を祈る自分がいる
『その女、誰?』
ここで“那夏”だと言って、こいつがどんな反応をするかなんて分かりきったことだ
『気まぐれ以外何があんだよ』
って鼻で笑うに決まってる
もう少し時間が必要かな
そう考えた俺はこう言っていた
「近いうちに会うことになるだろうね
……新」