藍色の瞳



◆◆◆◆◆




着替え終わり再びリビングに戻ると






「……ついて来い」






それだけ言った柊雅さんは出て行ってしまった






鍵は閉めなくていいのかななんて思っていたけど、流石高級マンション






全部屋オートロックで私の不安はすぐに消えてしまった






「……うわ」






外に出て最初に目に入ったのは真っ黒のベンツ






窓はフルスモークで、いかにも“危ない人”が乗ってそうな…






「早くしろ」






いつの間にか車のそばに立っていた柊雅さんがダルそうに私を呼ぶから






…こんな厳つい車が真昼間から走ってて大丈夫なのかな

なんてことを考えながら、近づいていった






「蜜ちゃんは行きつけのお店とかある?」






昨日助手席にいた理玖さんは、今日は運転席に座っている






「……特にないです」






「分かった。じゃあ僕と若がよく行く所から適当に選ぶね?」






「お願いします」






…なんだか理玖さんとなら緊張せずに話せる






昨日よりも怖くない






滑らかに走る車の中、少しだけ私はリラックスしていた






「理玖」






「なんでしょう」






聞きたいわけではないけど自然と耳に入ってくる会話






「…今その口調はやめろ」






……?




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