藍色の瞳




「俺が何のことを言っているのかはすぐに分かるよ。」






「……はい」






「蜜ちゃんがどんな人間であろうと、柊雅が自分の意思で連れていることには変わりない。
だから何も不安に思う事はないんだよ。」






「……」






……ダメだ。何を言っているのか、私の小さい脳では全く理解できない。






「何を言われても堂々と前だけ見てな。
身に危険が迫る場合はきっと柊雅が助けてくれる。」






…理解できない

できないけど






「…はい。」






何か良くないことが起こるということは分かった






そして、理玖さんが言いたいのは『不安にならず堂々としてろ』ってことだというのも分かった。






「皇組若頭が選んだ蜜ちゃんならきっと出来るよ」






私が柊雅さんに選ばれたのかは分からない






けれど、柔らかく微笑む理玖さんの顔が見えた時に不思議と心は落ち着いていた






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