藍色の瞳
「あの……」
服屋を出てしばらく歩いた後、私達が入ったのはランジェリーショップ
勿論無言で顔だけこちらに向ける柊雅さんは「なんだ?」というような表情だけど…
「……えっと…」
何ていえばいいんだろう…
何度も言うけどここはランジェリーショップ
周りを見渡しても、女…女女!!
「………」
なかなか要件を言わない私に柊雅さんの口が開かれる
「好きなだけ買ってこい」
言葉とともに渡される札束
「………はい」
てっきり「用もないのに呼ぶな」とか「さっさと言え」と言われると思っていた私は拍子抜けした
それにしても…
「……絶対こんなに要らない…」
店の奥に進みながら渡された札束を見て溜息が出た
あの人の金銭感覚はどうなっているのだろう…
「ありがとうございました」
サイズは分かっていたから、自分の好きなデザインを数個だけ選び会計をした
所要時間は15分
店の出入り口付近にいた柊雅さんの元に戻ると、少し驚いた顔で
「もういいのか?」
と聞かれたぐらいだった