藍色の瞳
「……」
ずっと独りで家にいて寂しかったからか、それとも退屈でしょうがなかったからか
プルルルルルッ
私は無意識にその番号へと電話をかけていた
プルルル…
5回目のコール音が聞こえた時、もしかしたらかけちゃいけなかったかも…という考えがよぎる
私の事なんてもう忘れてるかもしれない
そもそもノリで渡したものであって、かけること自体間違ってるかもしれない
それに相手の都合だってある…
忙しかったら迷惑になるよね…
次のコール音が鳴る前に切ろうとスマホを耳から離しかけた時
『はーい』
明るくチャラチャラした猫被り新の声が聞こえてきた
「………」
『あれ?どちら様?新だけど』
絶句している私に対して明るい声は止まらない
でも……今聞こえた言葉には反応した
「……シン?」
……この番号にこの声、アラタじゃないの?今シンって名乗らなかった?
『その声……もしかして』
私の声を聞いた途端、一気に低くなった相手の声
「そうよ、那夏だよ。」
久しぶりなのにその態度の切り替えの凄さは変わってないのね…
『ふっ…お前か…、久しぶりだな』
すっかり俺様な態度になっちゃった…
「かけて良かった?」
『ん…まぁ〜いいんじゃね?』
「そう…」
電話の向こうは何やら騒がしく、もしかして忙しい時にかけてしまったかもしれないと思っていたからホッとする