藍色の瞳






何で電話してきたんだよ、って…






「………何でだろ…」






『…なんだそれ』






ハッと乾いた笑いが聞こえてきたから、少しムッとしながら






「…でも電話しても良かったんでしょ?」






と聞くと






『まぁ…な。

でもそろそろ切らないと怒られる。』






そう返ってきたから、私はお喋り相手を無くすような感じでがっかりした






「怒られるんだ…」






……誰に?……親か……ううん、違う気がする






私達はお互いのこと、何も知らない

知ろうとも思っていない

ただの知り合い、それか飲み友達?






だけどこうやって会話している時、何でも気になってしまう性格の私は不思議なことがあると聞かずにはいられなかった






『あぁ、一応忙しいからな』






……なんだ、忙しいんじゃん…






「分かった。暇つぶししてもらおうと思ったけど、忙しいなら今度またかけるよ」






『おー。
まぁ、生きてたらいくらでも相手してやるよ』






……うん?






「新、死んじゃうの?」






『さぁ?
最悪の場合だよ。そこは軽く流せ』






……なんだか冗談に聞こえない






「危ないことしない方がいいよ…」






『ははっ
今更言われてもなぁ?』






……何、してるの?






気になるけどここで聞いたらまた話が長くなりそう…






「“死ぬ”なんて簡単に言わない方がいいよ。
……じゃあね」






『……

じゃーな』






プツッと先に通話を終了させたのは私






最後の新冗談か分からない言葉に一気に身体が冷めてしまった






柊雅さんと理玖さんがいなくて

黒服の人たちに囲まれたマンションで一人ぼっちで






少し不安になったのかもしれない…






なぜだか少し胸がざわついていた







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