私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
俺が守る 夏樹side
「夏!迷子のお母さん探し付き合って!」
「は!?またか!!」
学校から帰ってきて、駅裏商店街。
秋奈と手を繋ぎながら大泣きしてる子どもに頭を抱えそうになった。
今日もう5人目だぞ…?
最高記録更新するんじゃないかこれ…。
今日は見回りの俺と秋奈。
秋奈は迷子を見つける天才なのか、秋奈が見回りお時はほとんど迷子のお母さん探しで時間がつぶれる。
駆け寄ると、子どもは秋奈の手をしっかり握りながらも母親を求めて大泣きしてる。
そんな子どもに視線を合わせて頭を撫でている秋奈は、笑顔だった。
「お姉ちゃんとお兄ちゃんとお母さん探しに行こうね?」
「…うん!」
「私は秋奈。お兄ちゃんは夏樹。ぼく、お名前を教えてください!」
「さとし!」
「よぉし、さとしくんのお母さん探しにしゅっぱ~つ!」
子どもをうまく乗せた秋奈は、レッツゴーとか言いながら歩き出す。
子どもも泣いていたのに、秋奈に合わせてる。