私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「秋奈、そこにいる」
「あ、おかあさ~ん!」
子どもの方が先に気づいて秋奈の手を離して走って行く。
そんな様子にほっと息を吐いて見送る秋奈に笑いかけると、笑顔が返ってきた。
でも、不意にパチンと頬をはたく音がして、驚いてさっきの母親の方を見ると、子どもを叩いたようだった。
「なんで大人しくしてなかったの!迎えに行くって言ったでしょ!?」
「ッ…うわぁぁあああん」
「泣くんじゃないの!!」
どうやら母親は子どもをある場所に置いて買い物に行ったらしい。
待っているところを秋奈が見つけて声をかけたんだろう。
最悪のパターンだなこれ…。