私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「さとしくん、今度は私と遊んでね」

「うん!おねえちゃんバイバイ」

 何とか落ち着いた母親と子どもを駅まで見送った。

 手を振って子どもを見送る秋奈には先ほどまでの雰囲気は一切なかった。

「秋奈やっぱすげぇな」

「そう?ああいうのよくいるから」

「そうか…?」

 あまり当たったことないけどと思ったけど、そういうのは大体秋奈か瞬桜が対応していることに気づいて、苦笑する。

 やっぱり、頭に血が上りやすい俺たちはダメだなって、こういうところで痛感する。

 秋奈たちはまだまだ遠そうだ。

「見回り続けよ?」

「おう!」

 商店街の中に戻っていく。

 もうすぐ閉店の時間だ。流石にこの時間になるとトラブルは少ないからもう何も起こらないだろう。
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