私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
…って、気を抜いたらダメなんだ。
「てめぇ、何ガン飛ばしてんだあぁ!?」
「てめぇこそ、ケンカ吹っかけて来てんじゃねぇぞ!!」
掴みかかってる2人は見かけたことのない顔だ。
今にもケンカを始めてしまいそうな雰囲気に周囲が顔色を悪くさせて後ずさる。
「もう、ケンカばっかり…」
仲裁に行こうとする秋奈の肩を掴んで止める。
あそこまで血が登ってたら逆に巻き込まれる。
…こういう時は倒した方が早い。
「…夏、手加減してね?」
「分かってる!」
秋奈の横から飛び出して2人に向かっていく。
「こんなところでケンカしてんじゃねぇ!!!」
わざと大声で注目をこっちに引き寄せる。
一瞬出来た隙に、背がでかい方を先に沈める。
そして、呆然として俺を見てる奴が動く前に蹴り倒した。
あっという間に解決。
やっぱでくの坊だな。