私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「夏!!」
「ッ!?っだ」
「これのどこが手加減!?完全に伸びてるじゃん!!」
倒れてる奴らを指さしている秋奈に何も言えなくなる。
確かに伸びてるけど、こいつらそんな軟じゃないんだし…。
別に大丈夫だろ!…多分。
秋奈は倒れてる奴の様子を見て、大きな怪我がなさそうなのを見るとほっと息を吐いてる。
怪我させるほど殴ってないから当たり前だけど…。
「っう…」
「あ、気がつい…」
「てめぇ!!」
目を覚ました途端に拳を作り、秋奈の肩を掴んだ手。
咄嗟に飛びのいたけど、肩が掴まれたままで逃げ切れない。
「秋奈!?」
相手の腕を掴んで、間に体を滑り込ませる。
その瞬間、頭に衝撃が走った。
くっそ、いってぇ。こんな力がこもった手で秋奈を…。