私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 直斗とか言う奴を見てみると、しれっとした顔をしてやがる。

 こいつ、秋奈と瞬桜にいらねぇこと吹き込んだらコロス…。

 それが伝わったのか、肩を竦めやがった。

 こいつっムカつく!!

「夏?」

「分かったよ!どうせ、俺が言ってもあいつらが秋奈優先することわかってる!」

「あ、あの!俺も入っていいですか?志季!」

「もちろん。名前は?」

「匠(しょう)っす!匠って書いて、しょうって読みます」

「じゃあ、明日からよろしくね。直斗さん、匠さん」

 秋奈が差し出した手に、2人が握手する。それに微笑んで答える秋奈。

 直斗って奴はまた俺を見てきた。

 ぜってぇ、こいつなんか知ってるぞ…。

 俺はもう、過去の俺とは違うんだ!

 だから、もう昔絡みのことなんか片付けたいのに…。
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