私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
変わった子 立花side
「六花、おはよ!」
そんな声と一緒に、体がぬくもりで包まれる。
顔だけ振り返れば、すぐ近くに友達の顔があって、なんかくすぐったい。
「おはよ、秋奈」
「また携帯?飽きないね」
開いていたページはどうでもいい中傷サイト。
すぐに画面をホームに戻して、また新たにページを開く。
小林六花。
得意なのはハッキング。難解のパズルを解くようで楽しいから。
「ねぇ、六花。昼休み図書館行くんだ、行く?」
「いってらっしゃい」
「つれないなぁ。たまには活字追ってみるのも楽しいかもよ?」
「そう」
話をしながら、開くページは写真の共有サイト。
適当に決めた写真をターゲットに、その写真が撮られた場所を探る。
でも、全然つまらない。