私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 相手にしないのが1番。

 でも、携帯充電切れてきた。秋奈に怒られる。

 不意に、頬に走る衝撃で持っていた携帯が床に投げ出される。

 …叩かれ、た。

「無視してんじゃないわよ!このネットオタク!!」

 もう、いい加減にしてよ。こいつらほんとにやかましい。

 飛んで行った携帯を回収しなきゃ。

 席を立って、携帯に伸ばした手。

 でも、携帯に触れた瞬間、手を携帯と一緒に踏みつけられる。

「っい…」

「いい?これは罰。言うこと聞かない悪い子はお仕置きしなきゃ」

 それが正しいみたいに言う。

 私が、何したって言うの。

 秋奈を利用しようとしか考えてないくせに…。

「何してんだよ。お前ら」

 突然の仲裁の声にバレー部の女は驚いて顔を上げる。

 でも、そこにいたのは夏樹。手を踏んだ足に力が入る。
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