私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「何よ。不良が、オタク助けようって?見てて滑稽」

「八方美人の面しなくていいのかよ。それに、てめぇに指図されるいわれねぇし」

「っな…何ですって!?」

「っい゛…」

 わざとか、力入れたままねじるなんて。

 それに、あんたが仲裁入っても意味ないのに。

 夏樹は静かな顔をしたままで、私の隣に立つ。

「足、どけろよ。今なら黙っててやる」

「はぁ?何様のつもりよ。あんたみたいな奴が、何言っても無駄。教師は優秀な、私を信じるでしょうね」

 勝ち誇ったように笑顔を見せるこいつは、本当に根性腐ってる。

 夏樹は怒ることもせずに、ただ睨んでる。

「別に先生を味方に付けるつもりはない」

「ふ~ん、なら、誰に言うっての」

「そんなことも言わなきゃわかんねぇの?優秀なくせに」

「は?…お前、さっきから調子乗ってんじゃないわよ!」

 だから、被害は全部こっちに来るのに!

 少しだけ見た手の甲から血らしきものがにじんでる。

 携帯の液晶にもヒビみたいなの入ってるし…。最悪。
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