私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
いつか支えに 立花side
「秋奈ちゃん、頼むよ。テーピングだけでもいいから」
「剣道部ばっかり贔屓するなよ~」
さっきのことが、他のクラスにも伝わったみたい。
ST後の教室で、部活の格好をした人たちが集まってる。
でも、秋奈は全然聞いてない。
「ねぇ、他のクラス立ち入り禁止だよ」
「ッ…今はそれどころじゃ」
「それどころ?私も今それどころじゃないんだ。だからさ、部活行ってきなよ」
にっこりと微笑んだ秋奈に、運動部の人たちは諦めて教室から出て行く。
やっと静かになった。
「はぁ、もううるさいんだから…」
「うん」
「六花、昼間の私絡み?」
「…違う」
「本当に?」
本当のこと言ったら、秋奈傷ついちゃう。
悲しそうな顔してほしくない。
だから、言いたくない。