私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「瞬がいなくても、ちゃんとしなきゃ」

「…私」

「ん?」

「…私が、秋奈の支えに…なる。から」

「…ありがと。六花。嬉しい」

 ぎゅっと抱きしめてくれる。

 秋奈の肩に頭を預けてほっとする。

 秋奈のおかげだ。秋奈がいなければ私は…ダメだから。

 でも、いつか支えになりたい。

 秋奈が弱いところ見せてくれるくらい、支えに…。

「六花、今でも充分支えだよ」

「え?」

「六花はね、私の初めての女の子の親友。大事な友達だよ」

 だからありがとうって、笑う秋奈はずるい。

 まだまだなのに。私のこと、親友って言ってくれる。

 目が熱くなるなんて、いつぶりだろ…。
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