私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「じゃ、瞬とこ行かなきゃ」

「俺も行く」

「ん」

 私が立ち上がると、同じように立ち上がる2人。2人は学校では特に私の引っ付き虫。

 ノートをかばんに入れて、六花と並んで教室を出る。

 道場は1回靴に履き替えて、校門とは逆方向に行かなきゃいけないからめんどくさい。

 靴を履きかえて外に出ると、強くなってきた日差しに目を細める。

「あ~!秋奈ちゃ~ん!」

「は~い!練習頑張ってね~」

 私に気づいたソフトボールの子たちが声を張り上げて手を振ってくれたので、こちらも負けじと声を出して手を振り返す。

「あっきな~!」

「怪我しないでね~」

 ソフト部のみんなのおかげで私に気が付いたみんなが声をかけてくれる。

 ランニング中の野球部も、アップ中の男女サッカー部も、テニス部も、陸上部も。

 とにかくいろんなところから声がかかって来るからそれを一生懸命返す。
< 13 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop