私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「…姉ちゃん!!」

「ッ!?」

 思いっきりドアを開けると、姉ちゃんはびっくりしてその場でしりもちついてた。

 持っているのは教科書で、月曜日の用具の準備してたみたいだ。

「…春…ちゃん?」

 姉ちゃんって呼ぶこと自体久しぶりだから、そのことにもびっくりしてるみたいだった。

 逆に、春ちゃんって呼ばれるのも久しぶりだ。

 姉ちゃんの傍まで歩み寄って、その場にしゃがむ。

 姉ちゃんはびっくりした顔のまま俺を見てきてた。

「大会、来てよ」

「え?」

「日曜日の大会!来て!!」

 言えた!ちょっと大声になったけど、ちゃんと言えたぞ!

 姉ちゃんはまだびっくり顔のままだった。

 …そんなにびっくりする事なのかな…?

「…い、嫌じゃないの?」

「嫌じゃない!来ない方が嫌だ!!」

「…っぷ…あははっ」

 突然笑い出した姉ちゃんは、お腹を抱えて転がっていった。

 …えぇ?
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