私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「…分かった。春ちゃん」

 ふにゃって笑った姉ちゃんに不覚にもドキッてする。

 何だよこれ!相手は姉ちゃんだぞ!!

 でも、姉ちゃんがこんな風に笑うの見るの久しぶりだ…。

「…約束だからな」

「うん。ゆびきりする?」

「ッ…ん!」

 小指を差し出すと姉ちゃんの小指が絡まる。

 指きりげんまん針千本の~ます、指きった!

 って、子どものころよくやった約束。

 姉ちゃんはあの頃と変わらないリズムで歌って、歌に合わせて小指を離す。

「姉ちゃん…」

「ん?」

「…ッ何でもない!日曜日、絶対来いよ!!来なかったら絶交してやる!!」

 急いで立ち上がって、部屋を飛び出して自分の部屋に飛び込む。
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