私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

笑顔のために 春馬side


 やって来た日曜日!

 天気は快晴、試合日和!…って室内だから関係ないけど。

 各校が順番に更衣室を使うから、俺たちは今その順番待ち。

 袴だから何となく家から着てくるのは嫌だった。

「春、今日あいさつお前やれよ」

 肩に手を置かれて振り返ると、副部長兼幼馴染の亮佑(りょうすけ)がにやりと笑ってた。

 この顔は完全にからかってる顔だ。

「いつもどおりでいいだろ」

「秋さん来てんのに?それに、永井先輩も来てくれてるんだしさ」

 亮佑は俺が姉ちゃんにきつく当たってるのを知ってる。

 本当はそんなことしたくないことも。

 他の奴みたいにあからさまにからかって来ないからいいけど、こういう時はここぞとばかりにいじってくる。

 ついでに姉ちゃんと瞬桜さんは観客席の1番前で座ってる。

 姉ちゃんの手にはビデオカメラがあって、楽しそうに会場を写してるみたいだ。

 ついでに、このビデオカメラの使い方だけは姉ちゃんはしっかりマスターしてる。
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