私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「だから頼んだ。後、ちょっと怒鳴らないか?」

 さらっとあいさつを丸投げしていた亮佑は、少し険しい顔で後ろを指さす。

 反論する隙すらないってなんだよ…。

 でも、亮佑の言う通り、ちょっと怒鳴ったほうがいいかもしれない。

 流石に3年で騒ぐバカはいないけど、入りたての1年生の1部と、2年のアホ4人組がバカ騒ぎしてる。

 他の学校からの視線も少し痛い。

「うるせぇぞ!遊び気分ならさっさと帰れ!!」

 俺がそう怒鳴った瞬間、1年生は飛び上がっておとなしくなったけど、2年のバカ4人は悪びれもせずに知らん顔してる。

 こいつら…。

 態度にイライラしたけど、今はそんなケンカしてる場合じゃない。

 更衣室が開いたという連絡で、俺たちは急いで更衣室に向かう。

 1年生はまだ体操服のままだ。

 着替えて戻ると、顧問の先生と瞬桜さんが何か話してた。

 姉ちゃんは邪魔しないようにすっかり黙りこくってた。
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