私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 なんか気まずそうだし、ちょっと話とこうかな…。

 でも、他の部員もいるし…。

「秋さんフリーだ!行け~!!」

「どわ!?」

 亮佑てめぇはいつか絶対コロス…!

 亮佑に背中を押されたせいで、俺たち2人はあっという間に姉ちゃんの前まで来た。

「秋さんお久しぶりです」

「あ、亮佑くん…おっきくなったね」

「え、秋さん、俺会ったの確か3か月くらい前じゃなかったっけ?」

 俺が話しかける前に亮佑が話し始めた。

 俺はただの付き添いかよ!!

 しかも姉ちゃん普通に笑ってるし…むかつく!

「姉ちゃん、ビデオ下向いてる」

「まだ録画してないから大丈夫だよ。…春ちゃんと亮佑くん並んで?写真撮っていい?」

 聞きながら立ち上がって操作してる姉ちゃん。

 立ち上がると、俺たちより視線がほんの少し下にあって、いつの間にか姉ちゃん抜いてたんだって気づく。
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