私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 あっという間に4校と試合が終わって、午後の残り1試合の前に急いで弁当を食べる。

 もちろん今のところ全勝。

 この市でうちと同格と呼べるのは午後に残った1校だけだ。

 だから、午後に向けて緊張が高まってる。

「春ちゃん、お昼ちょっと出てくるね」

「いちいち報告しなくていいし」

「あ、ごめん…。じゃあね」

 あ、また素っ気なく…。

 姉ちゃんは後姿でもわかるくらいへこんでた。

 若干瞬桜さんに睨まれて、2人は会場を出ていく。

「怒られるぞ~」

「分かってるよ。うっせぇな」

 茶化すように飛んできた亮佑を適当にあしらう。

「でも、秋さんせっかく来てくれたんだし、今のはないだろ」

 真剣な顔でとどめを刺してきた亮佑に何も言えなくなる。

 戻ってきたら1番に謝りに行こう…。
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