私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 そんなわけで、マネージャー争奪戦の結果。ほぼ全生徒が部活に入ってる。

 部活に入ってないのは、私と夏と六花と、後は知らないけど多少いる。

 もちろん誘われたよ?1年の夏休み前までなんて朝と帰り送り迎えしてもらっちゃったくらい、熱烈に。

 それでも、私は部活に入らなかった。理由は、またいつか。

 でも、部活に入らない代わりに全ての運動部の救護班的な存在になってしまったんだ。

 今日、瞬に呼ばれたのもそのせいなの。

 道場にたどり着くと、ちょうどアップを始めたところみたいだった。

 1年生も入ってきて、3年生は最後の大会が近い。そんなわけでどの部活も殺気づいて…嘘です。活気づいてる。

「こんにちは~」

「「「こんちわっす!!!」」」

 そんな道場の1階、剣道部の練習場に思いっきり声をかけると、野太い声が綺麗にそろって返ってくる。それは主に1年生からの返事。

 奥には何事かと思って振り返る女子剣道部の姿。でも私の姿を見ると笑って手を振ってくれた。

 男子の2、3年生は道場の真ん中でミーティング中だったのか、あいさつの声に振り返った。
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