私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「亮佑!?」

「え、わす、すみませんでした!?」

 亮佑をつぶした奴が慌ててその場から離れる。

 起き上がった亮佑は、立ち上がろうとして、立ち上がれなかった。

 右の足首をつかんで歯を食いしばってる。…まさか。

「亮佑、おい!」

「…捻ったかも」

「先生、救急箱!」

「俺氷もらってくる!」

 とっさに動き出したのは3年生の控え選手だ。

 バカをやってた2年の4人は顔を真っ青にして動こうとしなかった。

「お前ら、何やってんだよ!!何回同じこと注意されてきてんだ!そんなやる気ないならやめちまえ!!!」

 2年で唯一試合に出ている奴が、初めて4人に向かって怒鳴った。

 普段は温厚な奴から出た声とは思えないほどでかくて、4人はますます青くなる。
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