私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「あ、これならいけそうです!」

 信じられないくらいあっさりと立って見せた亮佑に唖然する奴ら。

 でも、姉ちゃんの顔は決して優しくなかった。

「ただ今は誤魔化してるだけだよ。試合終わったら貼りなおすから。病院行って、診察受けてきてね」

「はい!ありがとうございます!」

「で、なんでこうなった」

 瞬桜さんは姉ちゃんをさっさと自分の後ろに隠しながら、顔色の悪い2年の4人組を睨む。

 言わなくても察してると思う。

「あいつらが暴れました」

「ふ~ん。なぁ、お前ら試合中も駄弁ったよな。朝のあいさつもダルそうに。やる気あんのか」

 俺たちに言われるより、OBの、しかも伝説と謳われる瞬桜さんに迫られるほうがずっと威力があって、4人は気まずそうに視線をそらす。
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