私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「ありがとね。秋奈ちゃん」

「いいえ~」

「そいつにお礼いう必要ないっすよ。先輩」

「瞬なんか怪我しちゃえ!」

 副部長さんが駆け寄って来てくれる後ろで、完全に他のことをしている瞬に牙をむくと、副部長さんが顔を真っ青にして絶対にやめてと言われちゃった…。

 ちぇ、瞬のくせに選手に入ってるからなぁ。

 あ、瞬は小さな頃から剣道をしていて、その実力は全国1を軽々と手にするほど…。らしい。

 ついでに中学の時も個人で全国行って、普通に優勝して帰ってきた。ついでにその時は半強制的に連れて行かれた。

 イーッと瞬に変顔を向けてから、副部長さんのエスコート?で部長さんの元へ。

 部長さんはパイプ椅子に腰掛けたくまさん…みたいな人。本当におっきいんだよ。私を片手で抱えて肩に乗せちゃうくらい…。

 あ、私がチビとかそんなんじゃないからね!

「秋奈ちゃん、悪いな」

「いいえ~」

 部長さんは厳つい顔をしながらも優しい声を出しています。

「調子どうですか?」

「まぁまぁ…だね」

「できれば練習休んでしっかり治した方がいいと思いますよ?」
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