私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「はい、答え出たでしょ?」
「…はい」
思った通り、式さえかければ後はスラスラ解いて見せた夏は、自分の回答に驚いて呆然としてた。
夏って苦手意識さえなくなれば結構いいとこ行くと思うんだよね。
「自分でやってみて?あれ覚えたならできるから」
ポンッと背中を押して、夏はまたワークに向かう。
今度は式を書くのもスラスラ進んでるみたい。
「秋奈」
「ん?」
六花に袖を引っ張られて一緒に覗き込んだのは古文。
六花は現代技術を突っ走ってるからしょうがないかな…?
「秋、お前自分のは」
「大丈夫。全部テスト前の確認で使うの。ノートも2回くらい写したし、あとは嫌でも覚えれる環境だから…」
「お前いつ勉強してんだよ…」
頭を抱えた瞬は、特大のため息ついてた。