私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 部長さんは練習中に撃たれたこてがたまたま防具の薄いところに当たってしまい、手首を痛めてるんだ。

 教室でうたた寝していたところ、防具をつけたまんまの瞬に叩き起こされて連れて行かれた時はびっくりしたけど…。

 怪我をさせてしまったのが瞬らしくて、瞬は責任を感じて私を連れてきてるみたい。

 しょうがないからお友達の不祥事、庇ってあげてる。

「練習されるんですよね?」

「軽く、ね」

「へぇ、軽くで素振り100回に模擬試合ですか」

 一体本気になったどれだけ練習をされるんだか。

 そんな会話をしながら、部長さんの大きな手を取り、手首にテーピングを施していく。

 はじめ見た時は真っ赤だったけど、今は青痣くらい…?でも、練習を続けてるせいで治りはバカみたいに遅い。

「秋、治せないのかよ」

「ッ…私は医者じゃないし!!早く治してほしいなら練習するの止めなよ!!」

 後ろでつぶやいた瞬に思いっきり食いつく。

 部長さんに練習させないのはそんなに難しいのか瞬は黙っちゃった…。
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