私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

 本鈴のチャイムが鳴って、慌てて教室に入ると、担任から白い目で見られた。

 頭を下げてさっさと席に着く。

 瞬は私の方を見ようともしないで先生に視線を向けているけど、機嫌の悪そうな顔をしたままだった。

 なんで?なんでそんなに機嫌が悪いの?

 私、何かしたのかな…。

 瞬はそばにいてくれて、私を引っ張って行ってくれた。好きなようにさせてくれた。

 嫌、だったのかな。本当はすごく嫌だったのかな?

 私が甘えてるから、瞬は好きなように動けなかったのかな。

「宮田、聞いてるのか!!」

「っ!?すみませんでした」

「今日の掃除当番は宮田1人。以上」

 先生話聞いてない人すぐ見つけるんだから…。

 担任が教室を出て行っても、教室はたいしてうるさくならない。

 みんな最後の詰め込みで必死だから。
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