私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「秋」
「ひゃい!?」

 久しぶりの声に思わずびっくりして顔をあげると、瞬がすぐそこにいて、表情はやっぱり険しかった。

「…なぁに?」

「部活、来い」

 テストが終わったその日から部活は解禁になる。

 だから、今日の帰りからいつもの生活に戻ることを示していて…。

 瞬が部活に私を連れて行くのはいつものことだったから特に驚かなかった。

 でも、午前中で学校が終わる今日はそのまま商店街に行くつもりだったから弁当も何も持ってきてない…。

「え、あ…でも志季…」

 反論しかけて、瞬の表情がさらに険しくなったのを見て、言葉がそれ以上出てこなかった。

 どうしよう。瞬すごく怒ってる。これ以上怒らせたくない…。

「…わ、分かった」

 そういうと、瞬は自分の席に戻っていったけど、瞬の態度が怖くて手が勝手に震えてたのを、手を握り合って必死にごまかす。
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