私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「秋奈ちゃん、それやれるならとっくの昔にやってるよ」
「がはは!」
自分のことなのに大口を開けて笑う部長さん。
笑いごとじゃないのに…。
思わず呆れた視線を部長さんに送る。
「あ!秋奈ちゃん!!」
「は~い?」
「けが人出ちゃったんだけど、今手開いてる!?」
道場の外から叫んでいるのは野球部の男の子。
だから、私は医者じゃない…。ついでに言うなら保健委員でもない。
みんなにブーイング食らったけどね?
「秋奈ちゃん、ありがとな」
「無茶禁止です」
「分かったから、行ってやれ」
部長さんに背中を押されてしまいました。あぁ、今日もフルコースかなぁ?
剣道部のみなさんにバイバ~イと手を振って、慌てた様子の野球部の子に手を引かれて走って行く。その後をのんびりと追いかけて来る六花と夏。
案の定と言うか、何と言うか。結局帰りの部活の時間まであちこちの部活を回る羽目になった。