私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「…瞬、なんで、怒ってたの?」
質問の返事もなく、体勢を立て直した瞬は切り込んでくる。
それを流し、時に追撃を加えながらやりあう。
「瞬!」
「…テストでイライラした!そんだけだ!」
面取りを狙ってきた瞬の1撃の範囲から外れる。
「怒ってない?」
「…悪かった。これも憂さ晴らしだ!」
「…分かった」
1度大きく距離を取って、深呼吸。
視覚で、聴覚で、触覚で、嗅覚で、第6感で、瞬を、敵を捉える。
「…修羅、7割」
ここは命を取り合う戦場。握るのは、真剣。
感覚が落ちるギリギリのライン。
敵が、苦笑いしたような気がする。