私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「…瞬、なんで、怒ってたの?」

 質問の返事もなく、体勢を立て直した瞬は切り込んでくる。

 それを流し、時に追撃を加えながらやりあう。

「瞬!」

「…テストでイライラした!そんだけだ!」

 面取りを狙ってきた瞬の1撃の範囲から外れる。

「怒ってない?」

「…悪かった。これも憂さ晴らしだ!」

「…分かった」

 1度大きく距離を取って、深呼吸。

 視覚で、聴覚で、触覚で、嗅覚で、第6感で、瞬を、敵を捉える。

「…修羅、7割」

 ここは命を取り合う戦場。握るのは、真剣。

 感覚が落ちるギリギリのライン。

 敵が、苦笑いしたような気がする。
< 181 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop