私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)

「懺悔でも吐くか?」

「いらねぇよ。そんなの」

 お互いに構える。最期の1撃だ。

 同時に踏み込む。刀身が捉えるのは頭。

 振り下ろした刀は、敵の頭を確実に仕留める。

「1本っ!!」

「ッ!?秋!やめ!!」

「ッ!?…あ、瞬、大丈夫!?」

 急速に戻ってくる意識。

 我に帰れば、瞬が座り込んで涙目で私を見上げてた。

 思いっきり叩き込んじゃった…。防具もつけてないのに…。

 頭に手を置いて顔を歪める瞬にどうしていいか分からず、とりあえず打ち込んでしまったところを撫でる。

「ごめんなさい…」

「…俺が頼んだんだ。気にすんな」

 肩に手を回されて、引き寄せられる。

 瞬の胸に思いっきり額をぶつける。ぎゅっと瞬の袴を握ると頭を撫でてくれた。
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