私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
「え~、おふたりさん?純情ボーイもいるから、その体制やめろ?」
「部長、いつ戻ってきたんすか」
「え?…ッ瞬!は、離してっ!!」
うわぁぁぁああああ。なんてことを…!
慌てて瞬の上から退くけど、さっきまで瞬を押し倒してるみたいになってた…。
うぅ、そんな目で見ないでぇ…。
恥ずかしさで顔を手で隠すけど、全然意味がない。
最後のあがきのように瞬の影にすすっと隠れた。
「さっき戻って来たばかりだ。それより、秋奈ちゃん剣道出来たんだな」
「…できないです」
「いやいや、あの構えに打ち込み方もきれいだっただろう。中学は剣道部だったんじゃないのか?あんな実力を持っていながら、勿体ねぇよ」
部長さんの言葉に視線をそらす。
私に、剣道をする資格なんてない。だから、そんな目で見ないで…。
期待や好奇心のような視線、言葉から逃げるように瞬の手を掴んだ。